「昔,インターネットというものがあって,すべての人が自由に情報を得ることができ,新しい文化を構築するにたる環境が整いつつあった。が,当時の愚かなアホたちのせいで,インターネットはダメになり,人間の文化は天井にぶち当たって,以後ずっとそのままだ。あなたは若い頃,その状況をみていたんですよね。あなたたちのせいで,人間はダメな種別になってしまった」。
quote:ファイル共有を行っていて米国レコード協会(RIAA)に訴えられた人たちの大半は,違法なことはしていないと主張している。なかにはカザーの有料版を購入したことで合法的に音楽をダウンロードできるようになると思っていた人もいる。RIAAがほぼ全員に送ったというIMを受け取っていないという人も多い。新聞をコピーすることとファイル共有を行うことの違いに疑問を呈する人もいるし,音楽のダウンロードをやめてもCDを今までより買うつもりはないとするユーザーもいる。
記事中の発言を愚かな言い訳だと笑うのは勝手だが,よくよく考えるとそんなに変なことは云っていない。そも,ネットワークとは自由な情報の流通のもとに成り立っている。すべての情報が集って,検索によって探し出すことができ,それが社会の糧となる。情報には,テキストはもちろん,音楽も動画も入る。カザーやWinnyを使うことが,すなわちインターネットを使うこと,なのであり,カザーやWinnyは特殊なネットの利用法ではない。
カザーを使っている400万人,Winnyを使っている80万人ほどは,多くは違法であることを知っているが,ネットワークの存在意義に従えば,ファイルのやり取りが悪であり,罰を受けるべきことであると思うわけがない。500万人近くが,人を殺すのと同じように罪だと意識してファイル共有を行ってなどいない。その500万人は,ネットワークの存在理由に従っているだけだ。現実社会で朝起きて,顔を洗って,朝食を食べて…,という行動と同じレベルで,ネットワーク上で情報を漁って入手する,それが罪であるはずがなかろう。ネットワークか,アホどもか,どちらかが,なくなるまで,この争いは終わらないのだろうか。まったく無駄な争いだ。
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